2012年3月31日土曜日

3/24 『心のアート・ワーク』inバンクーバー

先週末はバンクーバーでの『心のアート・ワーク』第二弾開催のために
バンクーバー滞在していました。

年末に行った第一弾は以下に記してあります。

12/29 バンクーバーで初のグループ・アート・セラピー
http://kokoronoartwork.blogspot.ca/2012/01/1229.html

今回のフライヤーこんな感じでした。


心のアート・ワーク『自分との新しい出会い』

「自分は○○な人」だと、誰でも自分に対する思い込みを持っています。
でも、自分の別な面に出会っていないだけかも知れません。このワークショップでは、
自分の考えや気持ちを色や形、シンボルなどを用いて描いてみたり、感覚的な方法で
自分との新しい出会いの機会を作っていきます。

初めての方は「自分は絵を描くのが苦手」と躊躇されることもありますが、
『心のアート・ワーク』ではアートは技術を計るものではなく、
気付きのきっかけ作りに用いられます。 

この新しい自分に出会う行程の仕上げは『笑いヨガ』でお腹の底から笑う楽しさを
体験します。

今回も6名の参加者が和気藹々とした雰囲気の中で
アートを用いての自己表現に挑みました。 

ペアになりお互いに相手をインタビューしあって紹介しあう『他者紹介』で
場が和んできた様子。
 
もう一つ別の人とペアになって行ったゲーム感覚のアート・エクササイズ

参加者は同じものを見ても自分と他者は違うものを見ていることもある
という気付きを得られていました。 

時間制限下で自分のシンボルを描いては回していくアート・エクササイズ。
自分が描き始めたアートが戻ってきた時の参加者の表情はさまざまでした。
意外だったり、面白かったり、がっっかりしたり・・・ 


それぞれが自己イメージを表す時間は皆さん真剣な面持ちで静寂な時間が流れました

自己イメージについて気付きを得るアート・エクササイズの後は
参加者からのフィードバック、そして、アート作成者のコメントをシェア。

「皆さんから自分で思っていた自分と違う部分を指摘して頂き、意外でした!」

という声や、

「私の思い描いていた自己像は、皆さんのフィードバックとほぼ重なっていました」

という意見もありました。

 皆さんでひとつのイメージを作り上げるグループ・アート

マーカーやクレパスだけでなく、シールやリボン、色とりどりのクラフト用品も
用いて作業に取り組みました。

出来上がったのは・・・





































































































 こんなにカラフルでユニークな作品

「自分にはない感覚や発想を見ることができて楽しかったです」

「共同作業もまた楽しい!」

ワイワイと賑やかにアートの仕上がりをシェアしました。
そして、出来上がったアートと共に記念撮影を。
この後、ここで皆さんで作り上げたアートの思い出を持って帰って頂くために、
全員でアートを切り分ける作業をしました。
ここで作り上げたアートの欠片は皆さんの一部として心に刻まれたかのようでした。

もうすぐイースター:復活祭で卵はこの時期の季節物。
そこで、中にあるものを入れたプラスティックの卵を参加者にひとりずつランダムに
選んでもらいました。
画像の容器はボール状ですが、皆さんの卵型のプラスティックの容器には
ネックレスと小さなポンポンが入っていました。 

ポンポンは無造作に服のポケットに入れておいて、手を入れたときに
指先に感じるフワフワな感触を楽しんで頂くためのもの。

ネックレスは偶然に自分が選んだ色がどういう意味があるか想い巡らして
頂くものでした。


そして、卵=自分の可能性と見做して、各々卵をデコレーションしている間に
私の水彩絵の具を用いて偶然にできた色合いからイメージを見出した作品
『ドリーム・バード』のアートと詩のコラボを皆さんにお贈りしました。






 【孵化しているドリーム・バード】

ドリーム・バードが卵を温めている
卵にはさまざまな可能性が秘められている
でも、ヒナは期が熟した時にしかこの世に現れない

ドリーム・バードはその瞬間を知っている
いつ外から卵の殻を突付いて誕生を促すのか
それまで、卵の中の可能性は孵化していて、発達を遂げている
そして、新しい夢が実現する
ヒナが卵から孵る時に

 
皆さんの可能性の卵が孵るのに、母鳥として外から刺激を与えることができたら
本望だなぁと思いながら写真を撮りました。
それぞれの卵から、どんなヒナが孵るのか楽しみです!
 
『心のアート・ワーク』のアート部分の終了の後でお茶の時間に。

自宅でベーキングをしたケーキ3種、クッキー2種をお茶菓子にして
皆さんと談笑しました。
「ローカロリーの手作りスィーツだと罪悪感を抱かずに頂けるのが嬉しいです」
とお褒めに預かりました。

私も皆さんに召し上がって頂けて嬉しかったです。

お茶の時間の後は郁子Kunzさんの笑いヨガの時間に。
 前回とはまた違ったエクササイズもあり、皆さん笑いの渦に巻き込まれました

郁子Kunzさんより伝授された「やった~、やった~、やった~、イェーイ!」のポーズ
皆さん、弾けるような笑顔になっていました。

身も心もすっきりとしたところで、第2回『心のアート・ワーク』バンクーバー偏は
お開きとなりました。

今回の『心のアート・ワーク』バンクーバー偏も素晴らしいものとなったので、
次の企画も既に心に浮かび始めました。

今度はどんな内容にしようか、今からワクワクしています。 

2012年3月20日火曜日

3/19 『風船玉の中へ・・・』アートと詩のコラボ

数年前から、アクリルや水彩絵の具を用いて制作したアートに自作の詩(日英両語)を
綴ってアートと詩のコラボ作品を制作しています。

今回のタイトルは『風船玉の中へ・・・』です。


 
『風船玉の中へ・・・』

風船玉は子どものおもちゃの一種

チューブの中の粘性原液を押し出して
プラスチック製のストローの先につける
最初は強めに息を吹き込んで膨らませて、
小さな玉ができた後、ゆっくりと空気を入れていく
丁度いいところでソッと吹き口を閉じたら、 風船玉のできあがり

シャボン玉みたいに見えるけど、
パチンと弾けたりしない
でも、穴が開いたら
溜息が漏れるようにスーっと空気が抜けてしまって
風船はブヨブヨになってしまう

大きな風船玉を作って
その中に入ってみたかったのは
入院していた五歳時の夢だった
病室で風船玉を膨らますことの他に
できる遊びがなかった頃のこと

光の反射を反射が風船を虹色に輝かせるのを
内側から見てみたかった
そして、まだ信じていた天上の
神様の元へと風船に運ばれていきたかった
発熱も喘息の発作もない
天国の心の楽園へ



A dream of being into a big rainbow-coloured balloon

I look back on a rainbow coloured balloon with nostalgia.

This kid’s toy was sold with a tube of polyvinyl acetate paste and a thin plastic straw.
When the tube was opened, a small ball of paste was made and attached to the tip of the straw.
Then the balloon was inflated by first blowing quickly and then more slowly.
By closing the air hole with the paste, the rainbow-coloured balloon was completed.

It looked like a soap bubble,
However, it did not break it so easily.
Only when a small hole was made and air got out like a subtle sigh,
Did the balloon become soft and airless.

I dreamed of being in the big rainbow-coloured balloon
When I was hospitalized at the age of the five due to asthma,
Prohibited from playing outside like regular children
I could only play in a ward making rainbow-coloured balloons.

I liked to view how the sun light reflected off the balloon from inside it.
And I would have loved to be carried up to God in a heaven
Longing to find inner serenity there
Where I had no suffering from high fever and asthma attacks

*小児喘息だった頃のささやかな楽しみを描いてみました。
 
  アート制作のプロセス: 

 風船玉の部分を残して背景に暗い色を混ぜ合わせて塗りました


 背景に水で薄めたアクリル絵の具を薄く塗り、乾かすを繰り返してレイヤーにしました

 風船玉の部分を黄色と黄緑で塗りました

  風船玉に陰影を付けました

 風船玉に光のキラキラ(光物)をつけて出来上がり!
こちらが原画の色合いです。

青みを強くしてみると、こんな感じに。

 赤みを強くするとこんなふうに見えます




2012年3月16日金曜日

3/10 CEA養成コースでのアート・セラピー

3月10日に私がアート・セラピーを担当しているこの地域の学区域主催の
CEA(Certified Education Assistant)トレーニング:
学校のクラスで学習に困難がある生徒を支援する役割の養成コース
を教えてきました。


2009年に3時間枠で始めた私のアート・セラピーのコース。
受講生より「もっとじっくりと学びたい」という要望があり、
翌年から全日(6時間)コースに延長されました。

会場のオカナガン・カレッジはオカナガン地区に幾つかキャンパスを持つ教育機関で、
高校を卒業した生徒が大学編入のための単位を取得する目的で通う本科と、
資格取得や趣味のための生涯学習コースに分かれています。

今回は後者のCEA(Certified Education Assistant)養成10ヶ月コースの一環としての
アート・セラピーの講座としてコースを教えました。

参加者23名は20代から50代とさまざまな年代の女性でしたが、黒一点で男性も受講していました。

 この服装は前日のリハーサルの時のもの。当日はスーツで臨みました。
コースのタイトルは『アート・セラピー:どんなもので、どのように生徒に効くのか?』というもの。

出席を取る時に名前と今日のコースに期待することを尋ねると、

「アート・セラピーって何?聞いたこともなかった。何が知りたいかも分からない」
という受講生がほとんどでした。

最初の1時間半はグループ・ワーク。
順番に出される8問の質問に対してグループ討議をして発表するといいうもの。
アート・セラピーの基本理念やどのように用いられるかの知識を学びます。

休憩の後は生徒のアート・ワークのスライド・プレゼンテーション。
実際にどのような形でアートが生徒との関係に介入されているかを見てもらいました。

とても感受性の豊かな受講生が多いようで、それぞれの生徒のアートに
感嘆、また、さまざまな感想が寄せられました。
私としては手間隙掛けて準備した写真をじっくりと観賞してもらえて、講師冥利に尽きました。
グループ・ワークでは時に静寂に、時に賑やかにアート作りが行われました。

「ねえ、どんな絵を描いたの?」
お隣の人の作品を鑑賞するひと時も楽しそう。

ランチの後は実際にどのような方法でアートを生徒との関わりで用いていくかの演習。

二人で一枚の紙に作業する課題。
それぞれのペアが好きなように課題に取り組みました。

 一人で絵を描く方が好きな人、一緒に描くのが楽しい人、それぞれでした。
どちらでもいいんです。
今日のこの試みで自分はどんな行動が好みか分かることに意味があります。

受講生は幾つかのアート・エクササイズをしてみて、
どのような方法でアートを生徒との関わっていくか段々と勘が掴めてきた様子。

受講生から寄せられたたくさんの質問と、それに対しての私のアート・セラピストとしての
体験談を交えた応え。
皆さんの熱心に聴き入る様子に私も熱弁を奮っていました。

最後に応えてもらったコースのアンケートは全て素晴らしいものでした。

「アート・セラピーって何だか知らないで来たら、とても有効的で自分たちにも
幾つかのテクニックが使えると分かってよかったです。
実際に生徒とアートを介して触れ合えることにワクワクしています」

「この学区域にアート・セラピストを配置しているのは素晴らしいことですね。
私たちは個人的に生徒と接する機会を持っていくので、
よりより関係作りにアート作りを介在させていきたいです」

これらを読んだ時、アート・セラピーを教える機会を与えられてよかったと実感しました。

初めて撮ったクラスの集合写真

全ての受講生が来年度からそれぞれの学校で生徒と関わる重要な役割に就けますように。

2012年3月10日土曜日

2/23 バンクーバー新報への記事掲載

私の『カナダで叶えた夢:心理療法家への道』記事が
バンクーバー新報(バンクーバーの日系紙)2/23号パート2,p5に掲載されました!

お目汚しとは存じますが、私の活動内容のご参考までに
ご覧頂けますと嬉しいです。

http://issuu.com/vanshinpo/docs/vancouvershinpofebruary23-part2?mode=window&backgroundColor=%23222222

3/8 ガールズ・グループ前期終了

The Mandella Projectは私の住んでいる町のユース:8-12歳、13-17歳のための
アクティビティーのプログラムなどを運営しています。

The Mandella Project:www.youthpartners.ca

私が担当しているのは毎木曜日の放課後で、女児のアート・セラピーのグループです。
その名をThe Mandella Eiko's Girls Group 
対象年齢は8-12歳。
1月からの冬休み明けから始まり、3月の春休み前に前期が終了しました。

以前は Art Explosion:芸術は爆発!のクラスとしてアートを教えていたのですが、
参加者の心の問題が見え隠れし始め、コーディーネーターに企画を提出して
女児のアート・セラピーのグループが開催されました。




最初にグループ内でのルールを皆で話し合って決めて、合意したメンバーはサインしました。


最初の週は人数が少なくてアート・セラピーのグループをスタートできなかったので、
翌週にグループでゲームのように自己紹介しながらグループ・アートを作成しました。


 全員参加で作り上げたグループの自己紹介アート・ワーク

みんな楽しそうにアート制作しているように見えるのですが、既にグループ内には
派閥ができはじめ、特定の女児に嫌悪感を示すような態度があったようです。


 私には分からなかったのですが、ホワイトボードに絵を描いて遊んでいるように見せ掛けて
気に入らない女児に対しての嫌がらせがあったと報告を受けました。

 そこで、翌週にはグループ内のルールをもう一度皆で話し合い、決め直しました。


 『家族を描こう!』のテーマに取り組むグループ。
アルファベット文字を貼ったり、オイル・パステルで絵を描いたり画材は自由に選択。


目が覚めたら死んでいたペットを偲んで記念に作った像。

 私が靴屋さんからもらってきた箱を自分に見立てて、外に見せている部分、内側の部分を表現。

 「これが学校での私!」とテーマに沿った優等生的な創作もあれば、

  「学校でバレンタイン・デーにチョコやカードを入れてもらう箱にするの」という主旨のものも。

折り紙は相変わらず大人気。たくさん作っておうちに持って帰ろう。

ある女児は折り紙の本通りに食べ物シリーズを作ってコレクションを。

これも折り紙の本にあった封筒の作り方を見て作成。
たくさんお手紙が出せるね。

 いつも、しかめ面していた女児が「これ、あげる」と私に作ってくれたミラクル・エッグ。


 皆たまたま黒い服を着ていたので、「ポーズするから写真撮って!英子も入ってね」のショット。

生徒たちは放課後のこのクラスに「お腹空いた~」とやってくるので、冷蔵庫にあったリンゴを
こんな風に剥いて『うさぎのりんご』にしたら、みんな珍しいのか、争うように食べていました。

北米の大人はリンゴの皮を剥かないで齧ったり、ただ数等分にするだけみたいなので、
こんなふうにリンゴを剥いてもらった経験がないようでした。

雛祭りの頃だったので、折り紙で雛人形をたくさん作ったね!

文章を書くのが得意な子は、アート・セラピーの課題をアートと文章の両方で表現。
その上、折り紙作品もたくさん作りました~

「見たことも食べたこともないけど作ってみたいの」折り紙で作った串団子。

幸せな時と怒った時、どんなふうに違う?
色や形で表現してみよう。

 「粘土って冷たくて粘り気があって、楽しい~」
何を作るのかな?


粘土で作ったピザで~す

最終回はガールズ・パーティーにしよう!ということになり、パーティー・パッケージを購入。
前夜に自分の帽子、ブレス、名札を作ってみました。

前週作った粘土作品に色を塗っていた女児。
「これ、英子のあげる!」とプレゼントしてくれました。

「チキンと野菜とご飯の夕食よ!」

最後のクラスだったので、ひとりずつ卵の形の容器を選んで、その中に
グループ・メンバーだけがもらえた貝の欠片を入れ、各自で容器をデコレーション。
上記は私が見本に作ったもの。

最後のクラスに来た4人のメンバーが作ったそれぞれ個性的な作品 。






 自分で作った帽子、ブレス、名札うを付けて、ミルクのグラスを傾けるガールズ・グループ。

グループとして達成していきたい、これからの課題はたくさんありますが、
春休み明けのガールズ・グループ、何をしようかな~と考えています。

後期のガールズ・グループをファシリテートするのが楽しみです。